これからミシンを始める方
ミシンってうちにもあったし家庭科でも使ったはずだしで、存在自体は知っているけど、
ミシンが作られたり使われたりしている世界のことは一般的にもあまり知られていないので、
まずはそのあたりのお話をしようかと思います。
▼ミシンってどんな機械?
· 大小数百個のパーツからできている。
· 電子基板が入っている精密機器。
· 歯車やカムと連携している機構をモーターの動力を使って動かす。
· 構造上、本縫い用とロックミシンとカバーステッチはそれぞれ別の機構が必 要。
· よく車やバイク等で例えられます。
· 上下2本の糸を一定の間隔で絡ませることで縫い目を作り、その連続で縫製されていきます。
▼ミシンで出来ること・出来ないこと
· 種類や機種によって出来ること・出来ないことは変わってきます。
· 布地の厚さや素材の変化には、ミシンの性能の他に押え金・糸・針・針板・糸調子・縫い目の粗さ・押えの圧力調節等を適切なものにセッティングすることによって対応できます。
▼種類とその特性
大まかにですが、以下のように分類されます
· 家庭用ミシン 電子ミシン・コンピュータミシン・刺しゅうミシン
· ロックミシン 1本針2本糸 1本針3本糸 2本針4本糸
· カバーステッチミシン
· 職業用ミシン 直線本縫い用
· 工業用ミシン 本縫い用 ロックミシン 切羽ミシン 環縫い用 八方ミシン 他
○家庭用ミシン
ジグザグが出来るポータブルタイプのミシンで、値段や用途に合わせてそれぞれのメーカーから様々なグレードの商品が用意されている。直線・ジグザグ・端かがり、ボタンホール等の機能が一通り搭載されている。手元のスタート/ストップボタンで操作しますが、フットコントローラーもあれば使えるものがほとんど。
一台で一通りの機能が備わっていて、大きさや性能で様々な選択肢があるのが魅力です。
○工業用ミシン
机と一体型のミシンで、パワーも早さも音も重さも家庭用の比ではありません。ほとんどのアパレル製品がこの工業用ミシンと呼ばれるミシン達によって縫製されている。縫製する目的別にミシンを使い分けます。
○職業用ミシン
本縫いの工業用ミシンをポータブルにして机ごと置ける広いスペースがない場所なんかでも使えるように考案されたのが職業用ミシン。アタッチメントや針・針板などで工業用のものを使用して頂けることがあるのが特徴で、家庭用ではパワー不足で縫えなかったりする素材などでも縫えたり、頑丈であったりする。海外ではキルティングに適しているとかでキルターに重宝されているそうです。厚いもの硬いもの〜薄いもの、繊細な生地を縫われる方には機能は少ない様に見えますが、こちらの職業用をお勧めしています。
○ロックミシン
端かがり専用のミシンで、布地を切りながら出来る網目が特徴的です。布のほつれ止めが切りながらできるのはロックミシンだけです。家庭用ミシンでカッターが付いたアタッチメントを使い、端かがりが切りながら出来る機種もありますが、編み方が違うので、同じ網目にはなりません。
○カバーステッチ
ニットソーイングには欠かせないチェーンステッチが出来るミシン。裾や袖口の始末や襟ぐりにかかっているパイピング等に使われている“表は直線と同じ縫い目だけど裏返すと複雑な網目になっている”ような縫製はこのようなミシンでしか出来ません。